2021・2022シーズンやWBC(2023)の活躍でオオタニ翔平旋風が吹き荒れていますね。
もはやオオタニ翔平はメジャーリーグの顔とも言える存在となりました。
しかし、その陰でオオタニ翔平としのぎを削ったかつてのライバルである藤浪晋太郎が、2023シーズンからア・リーグのアスレチックスに移籍。
藤浪晋太郎といえば超高校級の本格派右腕としてプロ入り、ルーキーイヤーから3年連続で2桁勝利をマークするなど高卒ルーキーとして最高峰の成績を上げた投手でした。
160km前後の伸びのあるストレート、長身でダイナミックな投球フォーム、整った甘いマスクとスター性もあった藤浪ですが、近年では精神的なもろさも含めて制球難に苦労していたことはご存じの通りですね。
そんな彼が再起をかけて、思い切って環境を変えてメジャーに挑戦したのです。
くしくも舞台は、かつてのライバルであるオオタニ翔平が活躍するメジャーリーグのア・リーグ。
こんな数奇な運命のめぐりあわせがあるのか、と密かに胸を躍らせる野球ファンは多くいることでしょう。
かつて甲子園を熱狂させたオオタニとの同級生対決の再現や、藤浪晋太郎の再起にも注目してみたいと思います。
オオタニ vs 藤浪の勝負の行方は?
甲子園では力投の末にオオタニ率いる花巻東高校に投げ勝った藤浪晋太郎。
143級の熱投を見せ12奪三振を奪う見事な投球は今でも私の記憶に鮮明に残っています。
そんなオオタニと藤浪が再びメジャーで投げ合う、それは想像しただけでワクワクする出来事です。
実に10年ぶりとなる二人の直接対決は、2023年4月2日、開幕2戦目となるエンゼルス・アスレチックス戦にて実現しました。
2打席の直接対決は、結果で言えば1勝1敗。
直接対決の第1打席は、初回2アウトランナーなしの場面で訪れます。
切れのいいスプリットを3球連続で投じた藤浪が、オオタニを一塁ゴロに仕留めて三者凡退。
最高の立ち上がりを見せました。
一方、第2打席はノーアウト満塁のピンチで、オオタニにレフトフェンス直撃のあわやホームランというタイムリーヒットを浴びてしまいます。
ここはオオタニが、やや動揺が見えた藤浪のボールを見事に捉えてチームを勝利に導いたのでした。
勝機は決して逃さない百戦錬磨のオオタニ翔平に軍配が上がった、と言ってよいでしょう。
オオタニは、藤浪を気にかけながら「1・2回といい投球もあった。ビッグイニングが作れてよかった」とコメントを残しています。
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/9241f68cb82b46e150c63f1ac164525cf240eb55
藤浪のデビューは・・・
かつての阪神タイガースのエース・藤浪晋太郎のメジャーデビュー戦は3回8失点KOというメジャーの洗礼を浴びた形となりました。
立ち上がりである1・2回はスプリットを上手く活用して、ランナーを一人も出さない4奪三振を奪う力投を見せます。
立ち上がりはまさに完璧といってよい内容ですね。
このピッチングを見て、藤浪の再起に期待を寄せる野球ファンは少し胸が躍ったはずです。私は、「あの藤浪が帰ってきたのか?」という興奮を感じていました。
160.1kmの速球も披露し、まだまだポテンシャルのある姿には感動さえ覚えたほど。
しかし、3回に突如ペースを乱し先頭打者に四球を与えるとランナーを溜め、満塁でオオタニにとどめの一撃を喰らってしまうのです。
それでも、アスレチックス首脳陣は「立ち上がりは完璧だった。いい部分は見られたのでこれから修正していけばいい」と決して悪くはない評価。
NPBの4年目以降は成績を落としながら耐えた日本時代を経て、メジャー開幕2戦目で先発マウンドに上がることができた藤浪、まだ終わるには早すぎます。
先発なのか、リリーバーなのか、セットアッパーなのか起用法はわかりませんが、藤浪が再び輝ける場所が必ずあると信じて、次の登板に期待したいところです。
海外の反応は?
3回8失点KOという結果を見れば、藤浪にとっても苦すぎるデビューとなったことは否めません。
それは本人が最も感じていることでしょう。
とはいえ、2回までのピッチングや最速160.1kmの球速、高速スプリットでの奪三振劇など「らしさ」を出せた場面もあった藤浪。
海外の反応をまとめてみました。
【藤浪晋太郎のデビュー戦への海外の反応】・藤浪の持っている力はわかった、彼は戻ってくる・何がオオタニのライバルだ・95マイル(約153km)のスプリッター?魔術か?先発で?(すごい)・なぜ突然崩れたんだ?(突然崩れることへの疑問=イップスに気がついている?)・制球は良くないが球速がいいからやれているんだね |
厳しい声から暖かい声まで幅広くコメントが出ていますね。
さすがに目の肥えたファンも多いようで、藤浪の制球難(メンタルに関連する見方)や球威球速について見ぬいた人も多いようです。
藤浪自身も現状の課題や兼ねてから抱えている制球難についての改善意欲はあるはず。
日本以上にシステマチックに野球を役割づけているメジャーの首脳陣が、技術面や精神面で藤浪にどんな改善プログラムを用意するのかも気になりますね。
いずれにしても、この後の藤浪に期待したいと思います。
【必見】高校時代のオオタニ vs 藤浪
https://www.ballparksokuhou.com/blog-entry-254.html
同級生であるオオタニと藤浪のはじめての対決は2012年に遡ります。
花巻東高校の二刀流エース・オオタニ翔平と名門・大阪桐蔭高校のエース藤浪晋太郎。
二人は、2012年春のセンバツ高校野球1回戦で激突します。
当時、両名とも150kmを超えるストレートを武器にした超高校級プレーヤーとして既にプロからも大きな注目を集めていただけに、2023年のWBC決勝戦同様、注目の対戦カードとして話題になりました。
試合結果は9対2で藤浪率いる大阪桐蔭高校が勝利を納めますが、この対決でオオタニは藤浪から1本の本塁打を放っています。
2回裏、ノーアウトの場面で2ボール2ストライクから藤浪が放った内角高めのカーブをオオタニは完璧にジャストミート、ライトスタンド中段に叩き込む特大アーチでした。
金属バットとはいえ、このスイングスピードと飛距離は現・オオタニ翔平の片鱗を感じますね。
あれだけ完璧なホームランを放つオオタニにもポテンシャルは十分でしたが、この大会で藤浪率いる大阪桐蔭は甲子園優勝を果たします。
決勝で藤浪は「決勝史上最速、最終回の153km」という奇跡も起こしていました。
投手としては同対戦でオオタニが11奪三振、9失点、自責点5、藤浪が12奪三振で2失点と明暗が分かれ、2012年のドラフト会議で藤浪は甲子園優勝投手として4球団から指名を受け人気球団である阪神タイガースに入団。
オオタニは育成に定評のあった日本ハムファイターズ1球団からの指名を受けての入団となりました。
二刀流という前代未聞の挑戦に対する懸念もあったのかもしれませんが、プロ入り時点ではやや藤浪の評価が高かったようですね。
実際、藤浪はプロ入り後3年連続で2桁勝利を上げエースとして大活躍。
特に3年目には、14勝7敗、221奪三振、防御率2.40という素晴らしい成績を残します。
「ストレート一本で抑えるのが理想だが、実際にはそれは難しく、試合では勝ちにこだわるピッチングをする」と論理的に語っていた当時の藤浪には頼もしさすらありました。
ポテンシャル先行でまずは育成から、という見方もあったオオタニ翔平をリードする存在でもあったのです。
今後の藤浪の復調や活躍にも大いに期待しつつ、彼らの直接対決を楽しみたいと思います。
まとめ
今、まさに現在進行形で吹き荒れるオオタニ翔平旋風。
その歴史の幕開けには、藤浪晋太郎というよきライバルがいたことは紛れもない事実でした。
彼の存在が、オオタニ翔平を刺激しトレーニングに駆り立てた部分は大きいはず。
そして今、その藤浪晋太郎が再起をかけてオオタニ翔平のいるア・リーグのアスレチックスに在籍し、再びオオタニとの直接対決を繰り広げんとしているとは、ファンならずとも興味が湧いてくるというものです。
ライバルとは日本語で「好敵手」と書きます。
藤浪晋太郎は、かつてのオオタニ翔平にとってまさに好敵手でした。
オオタニ翔平の大躍進には、藤浪晋太郎の存在は欠かせなかったと思います。
あのメジャーの舞台でオオタニと藤浪の熱き名勝負を、もう一度見たいとは思いませんか。